IISからFSx for Windows File Server内のファイルを参照する

はじめに

以前はIISのコンテンツをファイルサーバ(EC2)で保持していたのですが、

サーバの管理が大変なので、代わりにFSx for Windows File Server (以下 FSx)

を使用することにしました。

IISの仮想ディレクトリの参照先をFSxとする手順を記載します。

 

前提

・FSx、AD、EC2のIISインストールまでは作成済

・ADはMicrosoft AD(AWSのマネージドサービス)

 ※Microsoft ADだとユーザは追加できないので、「Admin」ユーザを使う

・EC2(検証用サーバ):Windows Server 2019(IISはバージョン10)

 

構築して分かったこと

・FSxを作るときにADは無くて良いのではないか?

 ⇒ FSx作成手順にAD作成は必須

IISがあるEC2はドメイン認証させずにファイル共有できないのか?

 ⇒ ドメイン認証させないとダメ(私はダメでした)

  ただしネットワークドライブの割り当てはドメイン認証無しでOK

 

手順

1. AWSコンソールからADのDNS名とDNSアドレスとメモする。(赤枠のところ)

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AWSコンソール AD

 

2. AWSコンソールからFSxのDNS名をメモする。(赤枠のところ)

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AWSコンソール FSx

※FSx構築時にDNSエイリアスを設定した方が良いと思います。

 

3. 検証用サーバ(EC2)のDNSサーバのアドレスを設定

 3-1. 使用しているネットワークを右クリックし、「プロパティ」を選択

 3-2. 「インターネットプロトコルバージョン4」を選択し、「プロパティ」を押下

 3-3. 1でメモしたDNSアドレスを赤枠のところに入力し、「OK」押下

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Window Server2019 DNSサーバー設定


4. 検証用サーバ(EC2)をドメインに参加させる

 4-1. [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[システム]の

   「コンピューター名、ドメインおよびワークグループの設定」の「設定の変更」を押下

 4-2. 「変更」を押下

 4-3. 1でメモしたADのDNS名を赤枠のところに入力し、「OK」を押下

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Window Server2019 ドメイン参加

ここでユーザとパスワードの入力が必要になります。

Microsoft AD作成で作成したユーザとパスワードを入力します。

ユーザはAdmin@<ADのDNS名>で、この設定だと「Admin@fs.local」。

設定を反映させるため、サーバの再起動が必要

 

5. IISの仮想ディレクトリを作成

事前に以下を設定

・FSxの下に「img」フォルダを作りサンプルとして「fsx.png」の画像を配置

IISのサイトを1つ作成(ここでは「fsx-test」)

 5-1. 対象のサイトから「仮想ディレクトリの追加」を選択し、

   以下を入力し、「接続」押下

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IIS 仮想ディレクトリの追加

エイリアスは任意の値で何でもOK。

物理パスは2でメモしたDNS名を設定。

※shareは標準で作成されるフォルダなので、「DNS名¥share¥・・・」となる。

 

 5-2.「特定のユーザー」を選択し、「設定」を押下

 5-3. ユーザー名とパスワードを入力し、「OK」を押下

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IIS 仮想ディレクトリの追加 接続情報入力

Microsoft AD作成で作成したユーザとパスワードを入力します。

ユーザはAdmin@<ADのDNS名>で、この設定だと「Admin@fs.local」。

 

6. アプリケーションプールの設定

 6-1. 対象のアプリケーションプールを選択し、右ペインの「詳細設定」を選択

 6-2. 「プロセスモデル」の「ID」の右にある「...」(赤枠のところ)を押下 

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アプリケーションプール 詳細設定

 6-3. 「カスタムアカウント」を選択し、「設定」を押下

 6-4. ユーザー名とパスワードを入力し、「OK」を押下

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アプリケーションプール 資格情報の設定

Microsoft AD作成で作成したユーザとパスワードを入力します。

ユーザはAdmin@<ADのDNS名>で、この設定だと「Admin@fs.local」。

※アプリケーションプールのID設定はデフォルトでも問題無く動作することも確認済なので、この6の手順は実施しないでも問題無い。

 

 

7.サンプルのHTMLを作成し、動作確認

 7-1. IIS内にサンプルのHTMLを作成

   赤枠のところがFSxの画像を参照しているところです

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HTML FSx動作確認用サンプル

 7-2. EC2上のWebブラウザで「http://localhost/」を入力し、確認。

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Webブラウザ 動作確認

 

以上で完了となります。

 

参考サイト

dev.classmethod.jp

qiita.com